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女性の薄毛コラム

梅宮アンナさんが語る、がん治療とアピアランスケア ~ 髪の毛は“私”を形づくる、大切な要素 ~ 3. アピアランスケアは心のケア

2024年8月、乳がんのひとつ「浸潤性小葉がん(ステージ3)」であることを公表した梅宮アンナさん。治療に伴う脱毛も経験され、改めて心の回復も大切であることを実感したそうです。梅宮さんの闘病体験や気付き、病気を通じて得た人生観などについて、浜中院長と語り合いました。

QOLを上げるための準備は、治療前からおこなうのがおすすめ

梅宮
こちらのクリニックでは、どんな薄毛治療をされているのですか?

浜中
発毛効果で知られる「ミノキシジル」という成分をもとに、当院でつくっているお薬を処方します。加齢変化として髪が薄くなる人と、がん患者さまの場合はアプローチが少し違います。抗がん剤と併用するかどうか、膠原病などの甲状腺疾患や全身合併症があるかどうかなど、ケースバイケースで処方を変えます。

― がん治療に伴う脱毛で来院される方は多いのでしょうか?

浜中
初診でいらっしゃる方のうち1~2割は乳がん経験者。女性の場合、乳がんの次に大腸がんが増えていますが、髪の毛の問題で来られるのは乳がんの方が多いです。というのも、抗がん剤にもさまざまな種類があり、乳がん治療で使う薬は副作用として髪に影響が出やすいものが多いのです。逆に大腸がんの薬はあまり髪が抜けません

梅宮
がんによる頭髪治療の場合、どれくらい期間がかかりますか?

浜中
術前の状態や、がん治療の内容・期間によってもかなり個人差はありますが、発毛治療を始めてから約半年ほどで効果が出てきます。そこからさらに薬剤調整を続け、可能な限り術前の状態へと戻していきます。

梅宮
私は治療前、治療中、そして今でもとにかく調べまくって、準備するようにしてきました。抗がん剤治療が始まるまでには、必ず準備期間があるので、その間にできることは絶対あるはず。例えば、毛が何もない状態から始めるのは難しいので、あらかじめ眉のアートメイクをしておくとか。そんな準備をするかしないかで、治療後の生活はだいぶ変わると思います。

浜中
たしかに、いかにスムーズに日常生活に戻れるか、手術・抗がん剤治療前に計画を立てるのは大切ですね。患者さまでも眉毛のアートメイクをされる方は結構いらっしゃいますし、化学療法の間に頭皮の冷却療法を入れ、脱毛の軽減や早期回復を図られる方も。脱毛に関しては、早期に外用薬を始めることで、早めのリカバーを狙うのも大切です。

アピアランスケアは心のケア。ガマンは美徳ではない

梅宮
痛みや痒みなど、表に出てこないトラブルはたくさんありますが、それに対する情報って少ないんですよね。「大きな治療が終わったんだから、他はガマンして当然」という風潮がありますが、当事者にとってはどれも大きな問題。日本ではガマンが美徳とされる文化がありますが、同じような思いをしている人がいることを知るだけでも大きな支えになると思います。

浜中
おっしゃる通りです。皆さん、社会復帰や仕事のことを考えていますから、私たちの治療も「もとの生活に戻す」というのが大前提。薄毛に限らず、QOLを上げる治療は早い段階から併用していくことをおすすめします。

― 浜中先生が、アピアランスケアを専門的に始められたのはなぜですか?

浜中
もともと精神救急医療に携わっていて、人生とは明日何が起こるかわからないものと感じるとともに、病気や体調を崩したとき、いかに上手に自己管理して乗り越えていくかが大切なのではと興味を持ちはじめたのがきっかけです。
梅宮さんもおっしゃる通り、日本の医療は優れていますが、治療後のケアや架け橋があまりありません。地方の病院では「髪の毛なんてどうでもいい」という医師もまだまだいますし、情報も少なく諦めている人が多いです。私は、そういう状況を変えたいんです。

梅宮
病気以外のケアに関して、情報がない、遅れているというのは実感しました。治療を受けた病院のアピアランスケアのコーナーに入ったら、もう昭和感が満載で……。展示されているウィッグは時代遅れのものが多く、カラーやタイプのバリエーションも少ない。若い人が髪の毛を失ったときに提供されるものとしては不十分だと感じました。「これをかぶって終わり」という感じでは、患者さんは逆に病んでしまいます。

浜中
どうしても疾患治療ばかりが重要視されて、心のケアがおざなりになりがちなんですよね。

梅宮
病気になると大事なものの優先順位が明らかに変わってきます。元気なときは必死になって買ったブランドものも、今では「なんで買ったんだろう」と思えるくらい、“質”を求めるようになりました。
QOLと言えば、ブラジャーも片方の乳房を切除した後に使えるものが少なくて。痛みやつっぱり感があると、ノンワイヤーやバンドゥでもキツいんです。日本はこれだけ乳がん患者が多いのに、片方だけの乳房用のブラジャーがほとんどないのは問題だなと切実に感じ、ちょっと私も企画し始めているんですよ。

浜中
ポジティブに変えていく行動力、すばらしいですね!

正解はひとつじゃない。他人に惑わされず、自分で決めることの大切さ

梅宮
人間関係で言えば、意外に傷ついたのが「大丈夫だよ」という声がけ。「すぐ治るから」、「大丈夫、大丈夫」といった言葉をかけられても、体も心も参っている上に、これから長い治療が待っている状況では「なにがわかるの?」と無責任な発言に感じて。
でも約1年治療を経験してみた今は、それも仕方ないと思えるようになりました。少し余裕が出てきたんだと思います。人によって嬉しい言葉もイヤな言葉も違うので、どんな言葉をかけるのが正解か一言では言えない、難しい問題だとは思います。

浜中
治療でも「絶対これ」という唯一の正解はありません。同じ感染症でもかかる人とかからない人がいるように、病後の回復も人それぞれ。それどころか同じ人、同じ病気であっても、状況次第でアプローチは異なります。ですから私たちもケースバイケースで、一つひとつに向き合いながら治療していければと考えています。 ただ、基本的に治療以前のベースとなる体調管理はとても重要。患者さまのパワーがあると、医師としても助けられることが多いです。

梅宮
どの治療法が正しい、間違っているではなく、最終的には自分で選ぶことが大切であり、そう考えるしかないんです。うわさや人の意見に惑わされず、きちんと自分で情報を得て、自分で選択するようにしてほしいです。
そして、自分に起きたことには意味があると思って日々を過ごしてください。それはそれでひとつの人生だからです。私もまだこれから20年、薬を飲み続けることになっています。毎日お腹を下すといった副作用もありますが、「悪いものが身体から出ていってるんだな、これはデトックスだ」と前向きに捉え、薬を飲むたびに「これで明日を過ごせる」と思うようにしています。起きたことに対して悪いほうにばかり考えるのではなく、違う視点で考えるようにしていきたいですね。

梅宮アンナさんが語る、がん治療とアピアランスケア ~ 髪の毛は“私”を形づくる、大切な要素 ~ 1. がんと向き合う覚悟と決断


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梅宮アンナさん プロフィール

梅宮アンナ(うめみや・あんな)
1972年8月20日生まれ、東京都出身。1990年代以降、ファッション誌『JJ』のモデルとして活躍し、テレビを中心にタレントとしても注目を集める。俳優・梅宮辰夫とアメリカ出身の元モデル・クラウディアの娘として知られ、その個性あふれる発言や包み隠さないスタイルで話題に。
また、一児の母として娘・ももか(現23歳)を育てながら、自身の生き方を等身大で発信し続けてきた。
2024年には浸潤性小葉がんのり患を公表し、病と向き合う姿勢や想いを積極的に発信。
2025年にはアートディレクターの世継恭則氏と結婚し、人生の新たな章を歩み始めている。

監修医情報

クレアージュ東京 エイジングケアクリニック 院長

浜中 聡子
(はまなか さとこ)

経歴

Master of science (M.Sc.),
Preventive, Anti-Aging & Regenerative Medicine, Dresden International University (DIU)
国際アンチエイジング医学会(WOSAAM)専門医 Board Certified, Post-Univercity Education in Anti-Aging Medicine Specialization (AAMS)

米国抗加齢医学会(A4M)専門医 Board Certified, American Board of Anti-Aging Regenerative Medicine (ABAARM)
米国先端医療学会(ACAM)専門医 Board Certified, Chelation Therapy (CCT)
日本抗加齢医学会専門医
日本精神神経学会専門医・指導医
一般社団法人日本総合病院精神医学会認定 一般病院連携精神医学専門医・指導医
日本医師会認定産業医
NPO法人アンチエイジングネットワーク顧問

クレアージュが行うアピアランスケアとは

当院では、がん治療に伴う髪や眉毛、まつ毛などの脱毛を改善または目立ちにくくする方法として、発毛治療とメディカルアートメイクを行なっております。

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