女性の薄毛コラム
【クリニック監修】産後の抜け毛はいつまで続く?ピークはいつまで?

かわいい我が子を抱いて、幸せいっぱいの産後にママを悩ませているのが、大量の抜け毛。いつまで続くのか、ピークはあるのでしょうか。女性にとっておおきなライフイベントとなる、妊娠・出産や育児と、ホルモンの関係、そして産後の抜け毛について詳しく解説します。
監修医情報

クレアージュ東京 エイジングケアクリニック 院長
浜中 聡子
(はまなか さとこ)
経歴
Master of science (M.Sc.),
Preventive, Anti-Aging & Regenerative Medicine, Dresden International University (DIU)
国際アンチエイジング医学会(WOSAAM)専門医 Board Certified, Post-Univercity Education in Anti-Aging Medicine Specialization (AAMS)
米国抗加齢医学会(A4M)専門医 Board Certified, American Board of Anti-Aging Regenerative Medicine (ABAARM)
米国先端医療学会(ACAM)専門医 Board Certified, Chelation Therapy (CCT)
日本抗加齢医学会専門医
日本精神神経学会専門医・指導医
一般社団法人日本総合病院精神医学会認定 一般病院連携精神医学専門医・指導医
日本医師会認定産業医
NPO法人アンチエイジングネットワーク顧問
クレアージュの“クリニック処方”
ミノキシジル発毛剤治療

このような症状の方にオススメです。
- 最近髪のハリ・コシ・ボリュームが少なくなってきた。
- 市販の育毛剤・発毛剤で効果が出ない。
- 頭皮の地肌が目立ってきたような気がする。
外用薬(ミノキシジル・アルプロスタジル)
月額 16,500円(税込)
産後の抜け毛の原因とピーク?ピークはあるの?
妊娠中・産後の女性のからだには、多くの変化があります。そして、出産したからといって、妊娠前のからだにすぐに戻れるかというと、そう簡単にはいかないもの。関節痛や腰痛、気分の落ち込みなど、人によってさまざまな変化があらわれます。
そして妊娠中・産後の女性のからだに起こる変化の中でも、生活に支障がなくとも意外と悩みの種となってしまうのが、「産後の抜け毛」。いつまで続くのでしょうか?ピークはあるのでしょうか?
そもそも、なぜ産後に抜け毛が増えてしまうのでしょうか。
産後の抜け毛の原因とピーク(1)女性ホルモンの減少によるもの
女性のからだの仕組みをコントロールしている女性ホルモンには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2つの種類があります。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とは
エストロゲンは、女性らしい体づくりをサポートするホルモン。肌・髪の新陳代謝を促して、潤いを守り、ハリ・ツヤを生み出します。また、気分を安定させる役割や、妊娠したときに備えて毎月の排卵を行う役割も担っています。
プロゲステロン(黄体ホルモン)とは
プロゲステロンは、妊娠の継続をサポートするホルモンです。受精卵の着床のために、子宮内膜を整え、基礎体温を上昇させます。また、栄養・水分を蓄え代謝を遅らせたり、皮脂の分泌を活発にしたりもします。生理前にからだの変化があるのは、プロゲステロンの働きによるものだと言われています。
妊娠前後で大きく変化する女性ホルモンの分泌量
女性ホルモンが大量に分泌されていた妊娠期ではヘアサイクルの成長期が延長されていました。しかしエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が妊娠前の分泌量に戻ってしまうことで、延長されていた成長期の毛髪の一部が、ヘアサイクルの休止期に入ります。
この影響でヘアサイクルの乱れを生じ、産後は妊娠中と比較して脱毛が多くなるのです。ただし毛髪はそれぞれ異なったヘアサイクルを持っているため、全ての毛が脱毛することはありません。
産後の抜け毛の原因とピーク(2)産後の生活の変化によるもの
産後は、妊娠前と比べると、生活に大きな変化があります。
昼夜を問わない授乳による睡眠不足に悩んでいるママは多いでしょう。ゆっくりとお風呂やトイレに入ったり、食事をしたりする時間がないママもいます。
またササッと食事をすませるため、栄養も不足しがちです。
そういった環境の変化に、知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまっている場合もありえます。
これらは、妊娠していない場合でも起こりうる話ですが、食生活や睡眠などの生活習慣の乱れは、誰であっても抜け毛の原因となってしまうのです。
産後の抜け毛のピークは3〜6ヶ月!
女性ホルモンが原因の場合、産後の環境の変化による抜け毛、どちらの場合もピークはあります。
産後から徐々に増えてきた抜け毛に、「この抜け毛、いつまで続くの?!いつがピーク?」と不安になっているママ、安心してください。
産後の抜け毛のピークは、産後、3か月から半年ほどです。
また、ピークがあれば、終わりもあるもの。人によってさまざまですが、およそ半年〜1年半ほどで抜け毛はおさまり、新しい髪の毛が生えてきます。
産後のホルモンバランスの影響による抜け毛は時間が解決してくれるので、焦らず落ち着いて、ピークを乗り越え、抜け毛がおさまるのを待ちましょう。
とはいえ、ストレス・睡眠不足・栄養不足が原因となっている抜け毛は、放置すると悪化してしまうおそれもあります。産後しばらくは赤ちゃんが中心の生活となりますが、ストレスを解消するための時間がとれているか、食生活に偏りがないか、もう一度見直してみましょう。
産後の抜け毛とも、上手に付き合おう
ピークがあり、徐々に抜け毛が減ってくるとはいえ、やはり気になってしまうもの。かといって、あまり思い詰めるのもストレスになり、産後うつの原因の一つとなってしまう可能性もあります。
「産後のマタニティブルー」と、「産後うつ」
妊娠期のものと勘違いされがちな、「マタニティブルー」ですが、産後にもおちいってしまう場合もあります。
これはホルモンの急速な低下によるものと考えられており、出産後2〜3日目から1週間以内に起こるこころの変化で、ひどく落ち込んだり、イライラしたり、子育てに自信がなくなったりとさまざまな症状があらわれます。
10日目頃から自然に回復しますが、症状が長引けば、「産後うつ」になってしまうことも考えられます。
(参考:聖路加看護大学大学院博士後期課程「誰でもかかる可能性のある女性のうつ病ー見過ごさず適切な対応をー」)
産後の抜け毛はピークをすぎれば収まってきます。そしてまた新しいヘアサイクルに従って髪も元通りになっていくのです。
あまり思い詰めることはありません。次に挙げるような対策をとり、産後の抜け毛と上手に付き合っていきましょう。
産後の抜け毛と上手に付き合うコツ<1>ヘアスタイルを変える
産後は寝ているか抱っこするかだけの赤ちゃんも、寝返りをうち、お座りをし、やがて歩くようになれば動きも盛んになります。
それに合わせるようにヘアスタイルを変えてもいいでしょう。
全体を短くしたり、伸びてきた髪に合わせるようにレイヤーを入れてもらったり、前髪をそろえてもらったり、伸びかけの髪をごまかすのはやや工夫が必要ですが、アレンジを楽しむこともできるでしょう。
産後の抜け毛と上手に付き合うコツ<2>気分転換
昔から“病は気から”と言うように、マイナス思考をためこむことは、体に悪影響をおよぼします。家でひたすら育児に没頭していると、どうしても鬱々とした気分になってしまい、抜け毛一つとっても絶望的な気分になってしまうものです。
そんなときは、家族や自治体のサポートを得て、休養することも大事です。上手に息抜きをするようにしましょう。
また、お気に入りのリップを塗ってみる、香水やアロマなど好きな香りでリラックスしてみるなど、短時間でも楽しめるものを日常に取り入れてみるのも良いかもしれませんね。託児サービスつきのヘアサロンや、コンサートもあります。そういったものを利用して、リフレッシュしてみるのも良いでしょう。
産後の抜け毛と上手に付き合うコツ<3>食事を見直す
ササッと済ませてしまっている食事を、見直してみることも大事。多様な食材を使ったバランスの良い食事を心がけましょう。といっても、お買い物や料理のためにまとまった時間をとれないママもいるかもしれません。そんなときは、手軽に取り入れられるものから始めてみましょう。
たとえば、納豆や豆腐、きなこ、豆乳など、大豆加工食品を積極的に取り入れていくと良いでしょう。体質によっては、大豆に含まれている「イソフラボン」の働きで女性ホルモンを補う効果が得られるほか、、良質なタンパク質や食物繊維、ミネラル、ビタミン類など、さまざまな栄養を摂ることができます。
また、妊娠中のママや乳児にとっても必要だとされている「亜鉛」 も積極的に取り入れましょう。亜鉛はタンパク質を合成するために必要な栄養素で、不足すると、抜け毛が増えたり髪質が悪くなったりします。魚介類・海藻類・肉・卵・豆類・ナッツ類に、亜鉛が含まれています。
産後の抜け毛と上手に付き合うコツ<4>睡眠時間を確保する
睡眠中は成長ホルモンが分泌されるため、発毛に良い影響を与えます。だからこそ、睡眠時間はしっかりと確保しておきたいもの。成長ホルモンが最も分泌されるのは、入眠直後の90分間、髪が最も成長するのは午後10時から午前2時頃といわれています。
とはいえ、昼夜を問わない子育てにまとまった睡眠時間をとれないママもいるでしょう。そんなときは、少しでも良いのでとにかくスキを見つけて寝ること。赤ちゃんが寝ているときは、自分も一緒に寝てしまいましょう。「洗い物や洗濯がたまっている」「掃除をしなくちゃ」と、家事のことが気になってしまうママもいますが、まずは自分の休養が大事です。それが産後の抜け毛と上手に付き合うコツでもあり、ママにとっても赤ちゃんにとっても無理なく産褥期を乗り越えらるために必要なことだからです。
まとめ
産後の不安定な精神状態のときは、誰かに話を聞いてもらうだけでも安心するものです。どうしても抜け毛が気になってしまう、産後しばらくしても抜け毛がおさまらない、そんなときは、抜け毛・薄毛の頭髪治療専門のクリニックを受診してみるのもいいでしょう。
ウィメンズヘルスクリニック東京は、女性の薄毛治療をおこなう頭髪外来です。
急に治療をスタートするのに抵抗がある場合は、無料カウンセリングをもございます。薄毛に対する不安やお悩み、治療に関するご説明や治療費など、専門スタッフがご相談を伺います。(要予約)
ウィメンズヘルスクリニック東京
「女性頭髪専門外来の特徴」
「無料カウンセリングフォーム(要予約)」
また、産後の抜け毛だけでなく、女性の薄毛・抜け毛全般に使える頭髪のセルフチェックもございます。
ウィメンズヘルスクリニック東京
女性の薄毛専門外来 頭髪セルフチェック
産後の抜け毛は、赤ちゃんが大きくなるにつれ忘れてしまうほど、一時的なもの。赤ちゃんの日々の成長のように、髪が伸びるのを楽しみにしましょう。
産後のママに必要なのは、からだの健康はもちろんのこと、「こころの健康」です。正しい知識や判断を得て、誰かに話を聞いてもらうことで、思い詰めることは避けられるはずです。抜け毛のピークを乗り越えられたら、明るい未来が待っていますよ!